仙台某所。伊坂幸太郎さんは、人なつっこい笑顔で取材陣を迎えてくれた。現在36歳。会社勤めをしながら小説を書き、作家デビューを果たしたのは、2000年のこと。吉川英治文学新人賞受賞のほか、これまで5作品が直木賞の候補となっている(07年12月現在)。07年11月末には、原稿用紙1000枚におよぶ長編小説『ゴールデンスランバー』を上梓した。新刊のこと、執筆を支えてくれる編集者たちについて、たっぷりと語ってくれた。
平和な昼下がり、仙台にて忘れがたい会話、張り巡らされた伏線、ユーモア。爽快感がありながらも、読後はじんと考えさせられる伊坂作品は、書店員からの支持もあつい。知名度が上がれば、周囲の反応もかわり、仕事の依頼も次々と舞い込んでくる。「仙台で静かに小説が書ければいい」と願う伊坂さんを、周囲は放っておかない。週刊コミック誌での小説連載や、短編映画とコラボレーションした小説など、果敢に新しい試みに挑んでいる。だが、本来は、変化が苦手という伊坂さん。これまでの「平和」が保てなくなっているとさえ感じていた。「贅沢なのは分かっているんですけど、伊坂幸太郎をやめたいなあ、と思うこともあります。バンドだったら解散」。小説家として、父親として、仙台に住む一人の人間として。伊坂さんの告白は続く。
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